Case File ４ 人質は異星人
トゥモローリサーチの仕事の準備を始めた５人。シオンはやる気満々だが…。そんな時、連続誘拐事件を起こしていたロンダーズの囚人に、偶然シオンがさらわれてしまった．．
［脚本：小林靖子］
（アヤセが運転免許取得のための勉強をしてる。）
原チャリって、…何だ？
アヤセさん、貼り紙はってきました。ほかに何か？
（上の空） ああ。…速度制限？
ユウリさんは、ほかに何か？
ごめん、ニュース聞きたいの。ちょっと静かにして。
あ、すみません。
（竜也に） 僕も手伝います。
あー、ここいいから、いいから。ここ大丈夫。
じゃ、僕、ドモンさん手伝ってきます。 （出ていく。）
…なんでいつもあんなにうれしそうなんだろう、あいつ…。
（街頭で護身術教室の勧誘をしてるドモン。）
まったく。２０世紀の女は、男の価値分かってないな。
ホント、分かってないですね。ドモンさんに教えてもらえるなんてスゴイことなのに。
なんだ、シオンか。
最強でしたよね、プロ時代のドモンさんって。…グラップって、どんな武器使ってもいい格闘技なのに、いっつも素手で‥
（シオンを無視し、勧誘に励む。）
ドモンさん、どうして女の人ばっかり声かけるんですか？
！‥お前、こっち来い。…いいか、俺はだな、男も女もない。全ての人を愛してる。だが、女性はもろく、はかない。だから俺が守ってやらないと‥。ああー、おねえさん！
なるほど。だったら、僕も愛してます！ そういうドモンさんも好きです！
（クロノチェンジャーの無線で）
あの、シオンです。
シオン！？
誘拐されちゃいました。すみません。
バカヤロー！ お前なあ‥
あの、小さい声でお願いします。僕がタイムレンジャーだって分かったら、トゥモローリサーチとの関係が‥
お前のせいだろうが！ 天然ボケはいいけどなあ、迷惑なんだよ、大迷惑！
ほんとにすみません。ただ、僕以外にも子供が２人いるんです。
わかった。すぐ行くからじっとしていて。
仲間なんかじゃないかな、僕なんか…。
しっかし、シオンって、頭いいんだか悪いんだか、…変なヤツだよなあ。
タック：
何を言ってるんだ。彼は、優秀なことでは名高いハバード星人なんだぞ。
あいつが？
そういや、そうかもな。
ちょっ…、何それ。ハバード星人？ 宇宙人ってこと？
「宇宙人」ってなんだよ。宇宙にいりゃ、俺たちだって宇宙人だろ。
そりゃそうだけど‥。
ドルネロたちだって、ほとんどは別の星のやつらだぞ。
うそ！ …へー、いるんだ、宇宙人って。
だから、「宇宙人」って呼ぶなよ。
でも、たしかハバード星は…。
タック：
そうだ。２９８４年に戦争で消滅している。…シオンが、地球に着いた脱出カプセルの中で唯一生存していたハバード星人だ。ほかの星にもいるのかもしれないが、確認できていない。つまり、まったくの天涯孤独なんだ。
彼は、ある研究所で大人ばかりに囲まれて育った。彼の優秀な頭脳が期待されてたのと、半分は彼自身が貴重なハバード星人のサンプルでもあったからだ。…それに耐えられなくて、彼は研究所を出たんだ。
君たちは、シオンが初めて持った仲間なんだ。
（ドモンがシオンの傷の手当をしてる。）
手慣れたもんだな。
プロファイターに、傷はつきものだ。
どっからどう見ても宇宙人っぽくないな。
ハバード星人だよ。
だから宇宙人だろ。でも…。
すみません、期待に応えられなくて。
あ、いや、ぜんぜんＯＫ。…この髪の毛なんか、それっぽいもんな。染めてるのかと思ってた。
染めてますよ。
竜也、ドモン：
え？
なんかちょっといいかなあと思って、３才の頃から。似合いませんか、ユウリさん？
え？（…）
やっぱ、ちょっと分かんねーや、コイツ。
うーん、宇宙人っぽい。
（横を向いて腕組みしたまま呆れてる。）
Case File ４
2000.Mar.05.
Ｑ： ５人のうち、ハバード星人は誰でしょう？