Case File ２５ 途切れた信頼
高層ビルがロンダーズに襲われる事件が多発した。そのため、５人はビル突入の訓練を行っていたが、竜也はアヤセの病気を気にするあまり、特殊弾を使うことができず、訓練を失敗させてしまう。竜也に対するユウリの信頼は大きく失墜する．．
［脚本：小林靖子］
衝撃波？ それって、心臓に負担がかかるってこと？
いえ、本当に大丈夫です。
でも…。
何ビビってんだよ。そんな程度で何かあるわけないだろ。…大丈夫だ。
ったく。けっこう神経質だな、お前。
いや、一応確認しとこうと思って…。
じゃ、いいわね。突入は３分後。
ＯＫ、時間を合わせよう。
シミュレーション終了です。みなさん、死んじゃいましたね。
伏兵、‥兵法の基礎ですよ。
伏兵って、お前、古い言葉知ってんな。
はい、テレビで見ました。
どうせ一人だけ目立とうと思ったんだろう。
あっ、バレた？ さすがスルドイねえ。
１０００年早いんだよ、１０００年。
竜也、本番では外れてもらうわよ。いいわね。
ちょっとお。
信用できない人間との作戦行動なんて、自殺行為だもの。シミュレーションに遊び半分で参加するなんて、まったく何考えてるのか分からないわね。
‥何言ってるの。それはお互い様じゃないの。
どういう意味よ。
何を考えてるか分からないってこと。だってそうだろ？ こんだけ一緒にいるのに、ユウリの本音なんて聞いたことないもの。
あなたには分からないのよ。
分かってないのはそっちだろ。誰だって、人には言えないことの一つや二つは持ってるんだ。そうだろ？
私にはそんな弱み、ないもの。
（ため息。） いっつも完璧、完全無欠。確かに漏らすような本音、ないのかもしれないけど。
あなたに何が分かるの？ 私の何が分かるって言うのよ！ そうね、じゃ、本音ってやつを言わせてもらうけど、竜也、あなたはちょっと高く評価し過ぎてたわ。 （出ていく。）
バカ。本気で怒らせてどうすんだよ。
竜也さん。ちゃんと仲直りしてくださいね。
俺は、自分の体のことぐらい計算に入れて行動してる。それが信用できないなら、最初にはっきり言え。足手まとい扱いはご免だ。
（独白）全面的に俺の失敗か…。
やらない方がよかったかもしれませんね。
そんなことないわ。失敗の原因を早めに見つけられたし。
部屋でデータを分析するわ。何か動きがあったら教えて。