Case File ２ 見えない未来
竜也には、自分を浅見グループ総帥の後継者にしようとしている父との確執があった。一方、ユウリたちは、歴史のバランスを保つためドルネロたちを全員逮捕するまで３０世紀に帰れないと、時間保護局から言い渡される。ちょうどその頃、再びロンダーズが動き出した。‥未来人たちへの竜也の言葉が、物語を紡ぎ始める．．
［脚本：小林靖子］
３０世紀？ ‥ってことはさあ、あのモンスターもあんた達も、未来から来たってわけ？（笑う。）
手伝ってもらって知らんぷりもできないから話したまで。信じてくれない方がいいわ。 （竜也のクロノチェンジャーを取り上げる。）
え？
ありがと。助かったわ。
くれたんじゃないの？
タック：
５人必要なのは最初だけだ。それに、２０世紀の人間にクロノチェンジャーを持たせておくわけにはいかない。
「２０世紀の人間」、って…。
ま、信じろって方がムリだな。
この時代には、まだ時間移動の技術はありませんからね。
せいぜい物質移動ぐらいか。
タック：
いや、それもまだだ。
…ほんとに、本当なのか‥？
あのさあ、３０世紀なんてあるってことは、そこまでの歴史ができあがってるってことか？
まあ、そういうことになるわね。
じゃ、その‥、俺の将来とかってどうなってるの？
そんな細かいことまで、歴史に残ってるかよ。
「細かいこと」、ね。‥まあ、確かに細かいよな。…そっか、未来ってもう決まってるのか。
タック：
いや、君が意識する必要はない。歴史が変わらないように守るのは我々の役目だ。レールを外れないようにな。
‥悪いけど、俺、未来を変えたいクチなんだ。決まってるって聞いたら、よけいね。…じゃあな。 （去る。）
未来変えられちゃ困るじゃねえか。なあ。
ったく、頭も筋肉でできてる奴はデリカシーってもんがねえな。
なに！
まあまあ、ケンカはやめましょうよ。
シオンの言うとおりよ。私たちのことも考えないと。
あっ、そうだ。どうやって３０世紀に帰んだよ！
（時間保護局の出した結論により、ドルネロたちを全員逮捕するまで３０世紀へ帰れなくなったユウリたち。）
いいわ。どっちにしろ、ドルネロたちを追い続けるつもりだったんだから。
僕は、みなさんと一緒なら平気です。
正気か！？ お前らほんとにいいのかよ！
３０世紀を変えられちゃ困るっつったのはお前だろ。喜んで残れよ。…変えられない未来ってのは、けっこう重いんだよ。
一人で悟ったふうなこと言いやがって、この野郎！
ドモンさん。力を合わせてドルネロたちを捕まえましょうよ。みんな一緒にがんばりましょうよ。
たった４人でか！？
５人目参上。
‥あなた…！
なんか立場一緒になったな。あんたたちもレールから外れるなって言われたわけだ。未来を変えないために。‥けど、未来は変えられなくたって、自分たちの明日ぐらい変えようぜ。
…できるって。だってさ、次の瞬間何するか決めんの、どう考えたって自分だろ。‥この石だって、（投げる）、歴史じゃないし、未来じゃない。だろ？
…明日を、変える‥。
（戦いを終えて）
どうだ。ここが、いつか独立する日のために用意していた俺の城だ。窓の外の景色だって…。
タック：
こんなところに住むのか？
まあ、ぜいたくは言えないわ。
だな。
あーあ。
おい、そりゃないでしょ。せっかく俺が…。
すごいですよ。…ここでみんなで暮らせるなんて。
シオン、お前いいヤツだなー。
Case
File ２
2000.Feb.15.
Ｑ： ５人の精神的柱となるのは誰でしょう？