Case File １８ 影の予感
浅見グループ系列の第三総合研究所が、ギエンの解凍したテロリスト・サンドーラに襲われた。サンドーラは、新エネルギー、λ−２０００を要求した。果たして、ギエンの目的は？ そして、水面下では、浅見グループの野望が進行している．．
［脚本：小林靖子］
おい、こんなすごい肉、こっち来て初めてじゃねえか？
僕、バーベキューも初めてです。
たまには息抜きもしないとね。ドモン、よだれ。
じゃあ、とりあえずこれだけ車に乗せちゃって。
よいしょー。
（竜也とアヤセ）
わー、最高のアウトドア日和だな。
…あのさ、やっぱり、ユウリたちには言った方がよくないか。お前の、その…。
あと１年か２年の命です。大事にしてください‥ってか。
おい…。
アヤセさん、至急で運転代行の依頼入っちゃったんですけど。川崎までですって。断ります？
いや、それならすぐ帰って来れるだろう。行くよ。
（無線で）
ロンダーズは、研究員にラムダ２０００ってのを作らせるつもりらしい。
ラムダ２０００？
なんだか分からないが、それが奴らの目的らしい。
タック、分かる？
タック：
ああ。最近、その研究所で開発された高純度エネルギーの結晶だ。少ない量で、かなりのエネルギーを作り出すことができる。まだ、実用段階じゃないらしいが。
そんなの、どうするつもりなんでしょうね。
タック：
今の段階では、特にロンダーズの金儲けになるとは思えないが。ラムダについては、もう少し調べてみる。
お願い。私たちは研究所の人たちを助け出すわ。
アヤセ、人質の状況は分かる？
ああ。…
あれ、ムリに破ると警報鳴るよ。
なんで知ってんだよ。
あの研究所、親父の関係なんだ。見学したことがある。
手広いねえ、浅見グループも。
（独白）もし、…もし、あいつがこのまま死ぬなんてことがあったら…。こんなところで、たった一人で…。
おい、竜也、どうしたんだよ。
突っ込もう。
は？
俺、バカだった。こういうことだって予想できたのに。もっと早く気付いてなきゃいけなかったんだ。
おい、何言ってんだよ。
開くわ。行くわよ。
はい。
ほら、行くぞ。
ロンダーズ！ 教えてもらおうかしら。ラムダ２０００で何をするつもりだったの！？
（河原にてバーベキューの準備）
おい、シオン。遊んでないで、こっち手伝え。
あ、はい。
（少し離れた土手の上）
アヤセ。ユウリたちに言おう。俺、まちがってた。お前に合わせて忘れたような顔してるのが一番いいなんて思って…。でも、そうじゃない。ユウリたちに言って、タイムレンジャーやめて、ダメ元でも病院へ行って…、３０世紀に帰りたいんだったら、タイムジェットに縛り付けてだって…！
よせよ。そんなことされたら、すぐ死ぬみたいじゃないか。
アヤセ…。
（河原）
ドモンさん、これ飲んでいいですか。
バカ、それ油だよ。
え、そうなんですか。
ねえ、これどう切ればいいの。
あー、お前はいいから、皿でも出してろ。
ユウリさんが切ると、食べるとこ減っちゃいますからね。
どういう意味よ、もう。
（土手の上）
俺は、今のままがいい。今のままなら、信じていられるんだ。変わるかもしれない、明日ってやつをな。
でも、…。
お前にも言うべきじゃなかったよ。まさか俺より悩むなんてな。けど、むりやり聞き出したの、お前だからな。
…サンキュ。ほんとはお前には助けられてる。
（河原）
ニンジンくらい私、切るわよ。
ユウリさん、やめた方がいいですよ。
やるの！
ユウリ、かせよ。俺がやる。
いいわよ。私がやるって決めたんだから。（ニンジンをまき散らせてしまう。）
おい、頼むからやめろよ。もったいないだろ。
まあまあ。ユウリ、俺が今度、料理教えてやるって。
よし、準備しようぜ。
（独白）結局、俺は答えを出せてない。何が一番いい方法なのか…。でも、今この瞬間は、これでいいのかもしれない。きっと、…。
Case File 18
2000.Jun.24.
タック：
そうか！ λ−２０００は、３０世紀の高性能燃料、Ｚ−３の原型だ。しかし、いったい何に使うつもりで…。
Ｑ： 自分の病気を隠そうとするのは誰でしょう？