未来と明日 （７）
６人目は強い。滝沢直人＝タイムファイヤーもまた然り。そして、（これも他のシリーズ同様？）完全に味方ではない。浅見竜也にとっては、むしろ、はっきり言って敵でさえある。
直人は、貪欲なまでに“力”を手に入れようとする。竜也と全く逆であるかのように．．
この後、シティガーディアンズ内部での権力抗争の図は、トゥモローリサーチのリーダー争い（笑）などよりもはるかに面白くなってくる。
そして、どうしても直人の“力を手に入れるための戦い”を応援したくなってしまう。この番組が、トゥモローリサーチと切り離したところにシティガーディアンズという別組織を設定したのは当然だったと思う。同じ組織内だったら、さすがに視聴者は竜也に味方しちゃうもんね（笑）。
このずっと後、最終話の手前で、直人は「俺が力を追ってるだけなら、お前は力から逃げてるだけだ。」と竜也に言い放つ。
竜也も認める。２人とも力にこだわりすぎてる、と。
竜也と直人は、結局は同じなのだ、というオチを、物語はつける。
非常に難しい話だと思う。
趣旨は全く異なるけど、ビートたけしが確か、昔、何かの番組で“輪軸”〈りんじく〉をギャグにしていたのを私は思い出す。「これは、細く長く生きるのも、太く短く生きるのも、同じだという、人生論にも発展するんですねえ。」と。
人生とは難しい。
竜也と直人は、“同じ”なのである。
（笑）この作品のさらにすごいところは、もう一人の“同じ”ヤツが出てくることである．．．