Case File １６ そばにある夢
ドモンは、そば屋「喜八」の店主・菅原と知りあった。菅原の作るそばはとても不味く、ドモンは菅原を助けようと決意する。一方、ギエンに解凍された美食放火魔・ビンセントが、街の飲食店を荒らし回っていた．．
伝説のギャグ編。アヤセの渋い友情．．
［脚本：山口亮太］
そばに必要なのは、４つの「たて」さ。
４つの「たて」？
それすなわち、そばの極意。そんなことも知らない人間にそばを打つ資格はありません。
極意は人に教わるものじゃない。
自分の仕事も満足にできない奴に、他人の心配してるヒマがあるのか。
一人じゃムリでも、２人ならできます。一緒にそばの極意をつかみましょう！
俺たち２人で、この店を日本一のそば屋にしましょう！
菅原：
おう！
いい気なもんだな。（店に入ってくる。）
お前がいない間に、街がたいへんなことになってたんだぞ。
ロンダーズ‥？
そんなことに夢中になってロンダーズのことを忘れているなんて、最低だぜ。お前なんかタイムレンジャー失格だ。
“そんなこと”だって？ 一人の男が、もう一度夢に向かって走り始めようとしているところなんだぞ。それが、“そんなこと”なのかよ！
夢の方が、大切だって言うのか。‥分かった。
まさかドモン、本気でタイムレンジャーやめるつもりじゃ…。
かもしれないな。
えっ、そんな…。
僕たち、４人になっちゃうんですか？
タック、頼みがある。・・・
４つの「たて」は、うまいそばの４つの条件、“とれたて、ひきたて、うちたて、ゆでたて”。
“タイムレンジャー失格”か…。このままそば屋をやるのも、いいかもしれないよなあ。
しかたがありません。「たて」が一つ足りなかったんですから。
菅原：
ええ？
新そばの季節は１０月下旬から１１月。今は、去年の古いそば粉しかない。“とれたて”はムリなんです。
俺には俺の戦い方がある！ ビンセント、「喜八」の暖簾の名にかけて、勝負を挑む！
ビンセント：
なに！？
俺の究極のそばを食ってみろ！ そして、うまいと感じたら、おとなしくお縄をちょうだいしろ！
ドモン、なに冗談みたいなこと言ってんだよ！
待て、あれは本気だ。料理に命をかけた、料理人の目だ！
ビンセント：
（ドモンの作るそばの解説）見事な麺棒さばき！
そば粉１００％でありながら、そばが千切れることなくきれいに整ってる！
ムダな動きがない！
ビンセント：
いざ！
勝負！
ビンセント：
いただきます！
ビンセント：
まさか？
その通り、取れたての新そばだ！