Case File １２　　星に願いを

　街で、金品が盗まれる事件が多発していた。恐喝犯・ゲーマルクが、アルクトゥース星人・アルゴを脅して金品を瞬間移動させていたのだ。一方、トゥモローリサーチに、宇宙人を探してほしいという少年が訪れる．．
　アルゴの渋さがなんともウルトラセブン的ムードを醸し出す。

　［脚本：山口亮太］

　できた！　竜也さん、修理で余った部品で作ったんです。（おもちゃ。）　どうですか？

　お前、ヒマだなあ。

　竜也だって仕事ないんだろ。

　（ピンポーン）

　お、来たぜ、仕事。
　はあい、ただいま。いらっしゃいませ。（ドアを開ける。）
　ん？

　子供？

　ボク、何か用？

隼人少年：
　あのー、宇宙人を探してください。

　（ムッとして）　宇宙人？

　どう、タック。やはりロンダーズ？

タック：
　それがよく分からないんだ。おそらく犯人は物質を瞬間移動させる能力を持つ奴だ。だが、ロンダーの囚人リストには、その手の犯罪者は登録されていないんだ。

　手掛かりなしか。

　おかしいわね。

　壊れてんじゃないの。

タック：
　失礼な！



　ユウリさん、もしこの時代に宇宙人がいるって分かったら、どうなると思いますか？

　そうね、２０世紀では宇宙人の存在自体認められていないから、今見つかったら危険な目に遭うことは確実だわ。どうしたの、急に。

　いえ、何でもありません。

アルゴ：
　私は、アルクトゥース星から来た脱走兵だ。

　脱走兵？

アルゴ：
　私の故郷は戦場でね。何もかも失った。家族も、友人も…。私は戦いが嫌になって逃げ出した。…だが、宇宙船が故障して、この星に不時着した．．．

　ただいま。

　おかえり。

　あれ、シオンは？　帰ってないの？

　まだ、宇宙人！、探してんじゃないの。

　僕にまかせてください。
　僕はハバード星人、…あなたと同じ宇宙人です。
　僕の星も戦争で、生き残ったのは僕一人だけでした…。あなたの寂しさはよく分かります。
　だけど、その寂しさに負けちゃいけない。
　人の弱みにつけ込む奴らには、勇気をもって立ち向かわなきゃいけないんです！

　（竜也たち登場）

　おいおい、水くさいんじゃないの、シオン。

　竜也さん。みんな…。

　寂しいなんて言われたら、こっちが寂しいだろう。何の相談もないんだからよお。

　あなたはもう、一人じゃないのよ。

　仲間を信じないで、誰を信じるんだ。

　元気出せよ。

　今の私たちにできることは、弱い人たちを苦しめるロンダーズを捕まえることだけよ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Case File 12
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2000.Apr.30.

　Ｑ：　宇宙人を助けようとしたのは誰でしょう。

　　　竜也　　　　　ユウリ　　　　　アヤセ　　　　　ドモン　　　　　シオン